こんにちは、今井です。
前回からお伝えしている税務署のお話ですが、今回は後編です。
取り調べ室のような一室で始まった税務調査ですが、ベンチャーサポートさんとの打ち合わせで決めていた事があります。
これは今後あなたに同じ事が起きた時にきっと役に立つと思います。
自分からは絶対に何も言わない。
私は話好きなのでついつい自分から色々言ってしまいそうになります。
要はいらん事を言うなって事です。
税務署員は刑事と同じで話やすい雰囲気を作って当事者がポロっというのを待っています。
即答しない、ちょっと調べてみないと分からないと言う。
これは〇〇の収入ですか?とか聞かれますが、いえ違います!とか、はいそうですっていう即答はいない。
と言うのは後々言った事をひっくり返さないといけない事があるからです。
そうなった場合、「嘘」をついた事になりめちゃくちゃ心証が悪くなります。
ベンチャーサポートさん曰く、相手も人間なので、この人信用できへんなとなったら他の部分も全部調べなおされて余計な部分まで見られてヤブ蛇になる事があると言う事でした。
やばい資料はすぐに提出しない、探してみますと言う。
出しても問題ない書類や通帳はどんどん出しましょう。
次に税務署員が言ってくるのがこれです。
「他に通帳ありますか?ネットバンク含め」
これがめっちゃ難しい!
と言うのは何かありますか?とかって聞いておきながら実は全部知っている可能性があるからです。
他には無いですって言うのもおかしいし、出していいものか?と言うのも悩みます。
敵対心を出さない。
これが一番いけないそうです。
何もやましい事が無ければいいのですが、税務署が来た時点で何かある訳ですよ(笑)
税務署も暇ではないので確信が無いと来ません。
こちらとしては税金取られたくないので構える訳ですが、「何も見せるつもりはない!」とか「これ任意やろ?見せる義務無いよな?」とかって態度はダメです。
相手も人間なので、「こいつなんかあるな!徹底的にやったる!」となるのです。
よく言われるように税務署員も手ぶらでは終われないのです。
何か手土産と呼ばれる「結果」を渡してあげないといけません。
後はその手土産の度合いをどう折り合いつけるか?です。
しかしこの折り合いをつけるのが素人では難しいです。
私の場合はその部分はベンチャーさんが入ってくれたので助かりましたが。
これらが税務署に呼ばれた時や来た時にとるべき態度、心構えです。
では後半始まります!
私:よろしくお願いします。
税務署員:はい、お願いします。
ベンチャーさん:今回今井社長の会社の税務を担当しており今回同席する事になりました。よろしくお願いします。
さぁ始まったぞ!と思ったのですが、ここでベンチャーさんがのんびりと話を開始。
私としては、あれ?どうしたん?早く進めようよと思っていたのですが、しばし税務署員と税理士の身内的な話で歓談。
後で聞いたのですが、これが実は大事だそうです。
多くの人はいきなり戦闘態勢で入ってしまうのですが、ベンチャーさん曰く、こうやって雰囲気を良くする事により交渉にも応じてくれる事があるそうです。
事実なんと最終的に交渉に応じてくれる事になるとは私もこの時は半信半疑でした。
税務署員:さて、早速ですが、平成29年度の収入の分かる物はお持ち頂きました?
私:はい、これが毎月の給料が入っている通帳のコピーです。
(これ、コピーにしないといけません。通帳原本を持っていくと全部見られてしまうので、必要な部分だけをコピーしていきました。)
税務署員:他にはないですか?
私:(来た!来た!)
はい、これです。
(この時見せたのは給料口座に対して入出金している口座です。給料口座から定期の口座に入ったりしている分はその定期の通帳のコピー、そして他の生活費の口座から給与口座に入金している場合などはその口座と言うように関連している口座です)
税務署員:給与の他に何か収入はありますか?
私:(キター!(;゚Д゚)来たでこれ!こっからが勝負や!)
ええっと、その件なんですが、ちょっと思いつかなかったんですが、ちなみに何の事でしょうか?
税務署員:仮想通貨取引をやられていますか?
私:(何がやられていますか?じゃ!調べついとるな)
(やはり仮想通貨でした。逆に他だったらどうしようかと思ってました。さぁどこまで出したものか?)
はい、少しやってました。
税務署員:売買の取引が分かる資料はありますか?
私:はい、これです。コインチェックと言う会社です。(まずは1社から)
税務署員:他にはありますか?
私:(多分全部もう知ってるんやろな~国内の取引所はアウトやろな)
えーっと他にどこありましたっけ?
税務署員:ビットフライヤーはありますか?
私:(あかん、やっぱり全部掴んどる、こりゃ国内は全部出すしかないな)
(ここで出し渋ったり嘘をついても全部バレると思った私は素直に全取引を提出しました。前もって取引履歴はプリントして用意しておきました。)
はい、ビットフライヤー、そしてザイフです。これで全部です。
税務署員:他にはありませんか?
私:はい、ありません。
税務署員:では取引所に開示請求を出すのに同意してくれますか?
私:開示請求?なんですか?それは。
税務署員:今井様の仮想通貨の口座がないか国内のすべての取引所に照会をかけます。そして売買履歴、入出金履歴を取り寄せます。その為にはご本人の同意がいるので。
私:(マジか!おっそろしい奴らやな!しかも同意しませんとか言ったら余計に怪しいから言うしかないし黙ってても結局ここでバレる事になってたな。良かった~全部正直に言って)
はい、どうぞ!その3つしかありませんから。
(後でベンチャーさんに教えてもらったところ税務署も沢山ある取引所や銀行に口座の開示を行うのは時間がかかるので出来れば自己報告して欲しいので言ってくれた方が手間がはぶけて助かるらしいです。黙っていて後から出てくるとかなり心証が悪くなると言う事でした)
税務署員:銀行口座は他にありますか?
私:(きたで。これも正直に言わないとどうせ全部調べられるな)
はい、あります。と言ってもこれは個人名になっていますが、会社で仕事で使っている口座です。
ベンチャーさん:今井社長の言う通りこれは事業用の口座です。私も把握しています。
税務署員:そうですか、ではこちらは結構です。
(お?意外とあっさりここは引き下がるんやな)
では本日の調査はこれで終わりとします。こちらも提出された資料を基に調べてみます。
何かある場合はベンチャー様に連絡すれば良いですか?
ベンチャーさん:はい、私の方にお願いします。
(ここからが恐ろしい話が聞けた)
私:ちなみに今回どうして私のところに来たんですか?
(この時点で結構くつろいだ雰囲気で話せる状態になっていた)
税務署員:(どうしよかな~みたいな感じで)うーんと、実は報告が上がって来たんですよ。
私:報告っていうのは?取引所からですか?
税務署員:いや上の方(国税)からですね。
私:取引所からある一定の取引や入手金の額により上の方にちょっとこいつ調べてみろみたいな感じですか?(笑)
税務署員:まぁそういう事ですな。
(マジかよ!全部バレバレやんけ!いくらどう隠しても結局国内に着金させたら全て把握されているって事か)
私:こんな田舎でこれぐらい動いていたから目立ったんですかね~
税務署員:まぁ私らも動かない訳にいかないので順番に周ってるってところなんですわ~
という事でこの日は無事に終了。
この後この件はどうなるのか?と言うと結局決着がつくまでにさらに2ヶ月ぐらいかかりました。
私はベンチャーさんを間に入れていたので税務署からの質問は全て一旦ベンチャーさんを通していました。
そこでベンチャーさんがうまい事対応してくれていたので私は余計は事を言わずに済みました。
とは言え、結局は追徴課税、滞納税、延滞税のトリプルパンチを喰らい中々のダメージでした。
しかしそれでもベンチャーさんが奮闘してくれたおかげで思っていたいよりはかなり少ない額で済みました。
ベンチャーさんありがとう!
みなさん、税理士事務所はベンチャーサポートがおすすめです!
ベンチャーに変えたい、依頼したいと言う場合は連絡下さい。紹介しますので。
しかし税務署って言うのは国家権力の象徴みたいなところですね~
税務署だけは敵にまわすなと言われますがそれがよく分かる。
ではまた。